「あの…優しくしてください。デリケートですので…」 だけど俺は面と向かって言うことができなかった。 目の前のギラついた瞳と目を合わすことができなくて、視線が勝手に斜め下に移動する。 発した言葉はしりすぼみに小さな声になってしまっていた。 あああ、牛から目を外すなどマタドール失格。 情けないっ!! 情けないぞ、俺!!