イチゴは桃ほどってわけじゃないけど、とってもデリケート。
だから、そのことをちゃんと伝えておかなくちゃ。
でも、この猛獣と化したおばちゃんたちに果たして伝わるだろうか?
伝わらなかったら…どうしよう。
おばちゃんと俺の間にはイチゴ。
もしそのまま突進されたらイチゴがつぶれ、飛び散るイチゴ汁でスプラッタの大惨事になりかねない。
気分は暴れ牛に対峙するマタドール。
ポカンとして固まっているおばちゃんたちが再び動き出す前に言わなければ。
ドッドッドッと心臓が胸を打ち叩き、緊張から次第に体が熱を持ちはじめ、汗が吹き出しはじめる。
いやいや、なにを怖じ気づいてるんだ!
言え、言うんだ、俺!!


