一人が俺の手をさわったとわかるやいなや、おばちゃんたちの視線がなぜかこちらを向く。
「あー、ズルいわよ」
「王子、わたしもっ」
「若さをもらいたいのはひとりだけじゃないの~」
俺に向かって次から次に伸ばされる手。
それはさながら、牢獄にいる囚人が看守に「出してくれ」と牢屋の隙間から腕をだしている光景のようだった(映画でしか見たことないケド)
しかし、ここには囚人(おばちゃん)をとめる役割を果たす鉄格子なんてものはない。
今にもとって食われそうだ。
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