その動きに連動するように、他のおばちゃんたちまでもが、我先にとイチゴのパックを手にしていく。


イチゴは俺の目の前で瞬く間に姿を消していく。


「王子、こっちにもちょうだい!!」



「あ、わたしも!!」



イチゴにむらがるおばちゃんに邪魔され、イチゴのとこにまで到達できなかったおばちゃんたちが俺に手を伸ばす。



「はい、どうぞ!!」



俺はその手にイチゴを渡していく。



ギュッ。



んっ?
あれ、いま…

渡した際に手を握られたような気がしたんだけど…



「きゃああっ♪野菜王子の手握っちゃった!!」



…うん。
気のせいじゃないらしい。