さらなる呼び込みをしていると、
「ね、野菜王子ならイチゴをどうやって食べる?そのまま?それともジュースにしちゃう?」
イチゴを眺めながら一人のおばちゃんが聞いてきた。
買うのを迷っているみたいだ。
これは、あとひと押ししたら買ってくれそう。
「う~ん…そーですね。それもいいですけど…俺はイチゴタルトを作ろうかと思ってますよ」
「あら、いいわね~」
「イチゴはビタミン豊富ですし、お肌にいいですよ。俺のおすすめですっ」
営業スマイル全開でニコッと笑ってみせると、おばちゃんは一瞬瞳を見開いて固まった。
…かと思うと、
「か、買うわ!!買いますっ!!」
ババッとすごい勢いで数個イチゴのパックをつかんで「これは私のイチゴ」と言わんばかりにカゴに確保した。