な!?
ななななんで!!
なんで来るんだよぉおぉお!!
表情筋はそのまま維持しながらも、焦りから汗が不自然に吹き出しはじめる。
来るな…っ。いやあの、来ないでくださいっ!!
そんな俺の胸中などわかるはずもない先生はその手を伸ばし、俺の手をつかんだ。
軽く引っ張られ、維持していた体勢が崩れてジンとした痛みのようなものが足に走る。
「ほら、教室に戻るわよ」
「…っ、俺にかまうな!!」
反射的に俺はつかまれた手を払いのけた。
パシンっと小気味いい音と共に先生の手が俺から離れる。
驚いたように瞳を見開いたのも束の間、すぐにその瞳が悲しげに揺れる。
あ…しまった。
強く叩きすぎたかな?
と、とにかく謝ればなんとか…泣かれたら困るし。
俺の視線の先にいる先生は震える唇を真一文字にキュッと引きむすび、強い瞳で俺を見据えた。
「あ…センセ、ごめー」
「…教室に戻るわよ!!」
謝罪の言葉を言い終わるよりも早く、先生は有無を言わさない勢いでそう言うと俺の手を素早くとって俺を引っ張り上げた。
「え…っ!?うわあぁっ!!」
しびれすぎて一本の棒のようになっていた俺の足は、体を支えることができない。
体が傾き、目の端に地面を捉えた。
転ぶことは避けられない。
このまま地面に当たるのかな?
痛いだろうなぁ~。
やだなぁ~。
来るであろう痛みを思いながら俺はギュッと目を閉じてその時を待った。


