不良な俺の初恋記録


「な、なに…その目は。いくらそんな目をしても…」


えっ、助けてくれないんですか?

そんなぁ~


先生はわずかに瞳を泳がせたあと、すうっと息を吸ってから意を決したように強い瞳を俺に向けた。



「そんなすがるような目をしてもダメ!!すぐにそこから降りなさい!!」



眼鏡を押し上げて仁王立ちで注意する姿は、はた目から見ればとても恐い先生に思えただろう。

しかし、俺にとってはそうではない。

不良…まぁ、俺に物怖じせずに注意する姿はカッコよく写ったのと同時に、ようやくこの体勢から脱出できるという安心感から、


ありがとうございます!!


と、お礼の言葉を言いたいくらい心が弾んだ。

だけど、その言葉は言えない。

だって、俺は不良だから。



「…わかったよ」



ちょっとふて腐れたようにそう言って俺は窓枠にかけた足を下ろした。


あ~痛かった。
カッコつけるのも楽じゃない。
不良って大変だなぁ。


俺はそう思いながら教室を後にした。