気づくと私は大好きな匂いの中にいた。 「初めからそう言っとけ…ばか…っ。」 「…きょ…が…?」 「なん…で…イギリス行ったんじゃ……。」 『京雅、イギリスに行くのよ。』 確かにお義母さんからはそう聞いた。 「…自分の女置いて行けるわけねぇだろばか真琴。」 〝ぎゅぅっ…〝 痛いくらいに抱きしめられる。 「ごめっ…ごめんなさいっ…」 「沙智っていう女に金貸そうと思ってたり、俺の前から勝手に消えたり。」 (そうだっ) 「あの人っ!!あの人何もしてないっ!?」