幼い頃、私は一人だった。 「母さん、真琴は?」 兄、聖十が母親、沙智に聞いた。 「真琴?誰?さぁ、聖十たくさん食べてね!」 私は汚い物置部屋で過ごしていた。 ゴキブリはいるし、蜘蛛は糸を張る…。 最悪な部屋だった…。 それでも兄、聖十は少ないお小遣いで私の服を買ってくれたり、銭湯に連れて行ったりしてくれた。 それだけで私は救われてた。