「ふさわしくないのはお前の方だ。心路義(こころぎ)。」
「え………?た、拓馬様?なにを…」
「生徒条例第289条、マーキスはデューク以上の階級に逆らうことを禁ずる。それくらい覚えているだろう。」
拓馬は冷たい目で言い放った。
「も、もちろんです…。ですが、この女は……!」
「まぁ…確かに見えないよな。お前らみたいに自分が偉いとか思ってないから。」
「うっ……。」
(痛い……。)
「たまたまこの学園に来ちゃって、こんな位をもらっちゃんだ。思いたくもないし、人の上にも立ちたくない。」
拓馬はそう言うと私を起こした。
「た、拓馬さ……」
ありがとうございますと言おうとすると、拓馬は黙って膝をついた。
そして言った。
「my princess…」
「………へっ………?」


