長い廊下を渡った先、 一番西側にある大きな部屋…。 そこが京雅の母、柊那(ひな)がいる。 「ここだ…。」 〝コンコンッ…〝 「母さん、ただいま戻りました。」 「京雅…?」 (綺麗な声……) 扉の中から聞こえる声。 「入ってもよろしいでしょうか?」 京雅が確認を取る。 「もちろん…いいわよ…。」 そこには本を読んでいる若い女性がいた。