「ごめんな。歩かせて…」 「あ、いえ…こんな自然の中歩けることなんて滅多にないですから。いい経験ですよ。」 真琴はそう笑顔で言った。 「ここだ……。」 京雅が立ち止まった先には明るく、だけど清楚な色をした家だった。 「ここが……。」 「蓮王寺家第8別荘だ。俺の母様がいらっしゃるところだ。」 「…京雅さんの御母様が……。」 執事がドアを開ける。 そこにはほんの少し香の匂いがした。