「あなたの助けになれないし、憎しみしか与えることが出来ないけど、私はあなたと分かり合いたい。」

なんなの。

「もしかしてそんな安っぽい言葉で復讐をやめさせようなんて思ってるわけ?くだらない…」

「それでも、私はいつかあなたと仲良くなりたいの。だって、本当に悪い人だとは思えないから。双子の弟の天羽くんを必死で生かしたいって気持ちがよく伝わってくるもの。ああ、何よりも家族が大事なんだって、私は思ったよ」


「思ってもみないこと言うんじゃないわよ!あの時、あの光景をみて私は涙なんか流れてこなかった。何故かわかる?憎くて憎くてたまらなかったからよ!悲しみなんてもう無かった。愛する気持ちなんてもう無くした!憎しみ、復讐するとその時に決意したから涙なんて流れもしなかった!」


そう。憎くて憎くてもう絶対に涙なんか流れなくて、その時に愛も温かさも優しさもそんな気持ちは全部消した。

私には憎しみという気持ちしかもう残っていないんだ。


「こんな言葉があるわよね。人に愛されたいなら自分を愛せって言葉が。でも、人は愛されなきゃ自分を愛すことなんてできないのよ。人ってそういうもんなの。寂しくて悲しくて孤独でそんな自分が嫌いで…だからこそ人に愛されたいと思う。そんな風に思うしかない人がどうやって自分を愛せるっていうの?」