ENCHANTED~Onewingangel~

「本当に母さんが何したってんだ?教えてくれよ!」

「うるっせんだよ!あんた等の母さんが何したかって?教えてほしい?…私に言わせんのかっ!!!!!!!」

怒りだけがこみ上げてきた。

あの過去を私に言わせるのか。

「はっ、そうかよ。なら話してやる!あの女は私の実の母親だ。私が父親に愛されすぎて母親は壊れ、男遊びをし、帰ってきては私を虐待した。そして、ある日、母親は川にストールを落としたからもってこいと、私の弟に言った。弟は何分、何時間たっても帰って来なかった!探しに行くと、弟は川岸で手にストールを握りながら…溺死していたっ!」

「えっ…それって…!」

「あの女が殺したのよ。それなのに!あの女は警察に遊んでいるうちに死んだと伝えろと言ってきやがった!たった6歳だったのに…」

「憎くて殺したくてたまらなかった。でも、心の底ではまだ母親を愛していた。でも、ある日、母親は全く家に帰って来なかった。救われた、解放されたと思ってた。でも、違かったんだ。帰ってこなくて、電話が沢山掛かってきた。全部、借金返済の電話だったんだ。あの女は、私と彰に借金をきせた!それでも、彰を生かすために、生きるために私は年を誤魔化し、バイトをしたり、体だって売った…」

どうしても、生かしたかった。

いつか彰に幸せになってほしくて…。

「そうやって生きてきた。そして、私は見てしまった。あの女が3人の子供と男と一緒に一戸建ての家の前で楽しそうに笑いあってるところをね。その時の私と彰の気持ちあんた達に分かる!?辛くて、あの女だけ幸せになってる、その憎しみの気持ちが!」

「っ…」