「翼、飯に行こ」

「そうね」

私と彰は屋上行こうとしたが、教室の扉の前で女子共が騒いでいた。

チッ、邪魔だ。

「おい、通行人の邪魔だ。退け」

「あ?邪魔?知らねーよ!自力で通ってみろよ!だいたい、あんたいきなり変わってなんなの?てか態度が生意気なんだよ!」

「自力で通れ?ならそうさせてもらう。」

「は?」

私は女の腕を掴み、捻ってダンっと体を倒した。

「なっ…」

「もう一度言う。邪魔だ。退け」

私は残りの女達を睨みつけた。

すぐに顔を青くして道を開けた。

私はたくさんの視線の中、教室を出て行った。


〈コツンコツン〉

私と彰は何の会話もしない。

「ねぇ、忘れたの?あんたは私について来なくてもいいのよ。言ったでしょ、あんたには優しさがある。私はあんたを巻き込みたくないの」

「…昨日、寝る前に考えたんだ。俺にとって翼はどんな存在なんだろう。って」

「そう。答えは出たのかしら」