母はそれからたくさんの借金をし、ギャンブル、男遊びなどをしてきた。

私は憎かった。

自分の息子を殺したくせにのうのうと遊びほうけて楽に生きている母が。

けど、私は一番自分が憎かった。

私があの時、勇の代わりに行っていれば勇は死ぬことはなかった。

自分達のために勇の死の真相を言わなかった。

死にたい気持ちだった。

そもそも存在しないようなものだから死んだって誰も悲しみやしない。

死のうとナイフを手に取った。

けど、彰が私を止めた。

「手を…離しなさい」

「やだ!俺はお前と生きたいんだ!俺はお前の味方だから!」

たった一言、たった一言だったけど嬉しくてたまらなかった。

そして、私はまた自分を憎く感じた。

彰を1人にして、生きていける訳がない。

私はまた人を傷つけてしまうところだったんだ。

それから、母は何も変わらずに借金を作っていき、帰ってくると暴言ばかり浴びせられた。

それでも耐えた。