私と彰には1人、弟がいた。
1つ下の弟は勇。
とても元気な子だった。
そして、私は母に愛されていなかった。
それは物心ついたときの5歳のときからわかった。
私はIQ200以上で、頭には自信があり、5歳という若さから愛されていないと認識していた。
母は私の誕生日さえ、名前さえもつけてくれてなかった。
戸籍さえも…そう。私はまるで存在しないようだった。
彰と勇はまだ母に愛されていただろう。
私は母に触れることさえ、話すことさえさせてもらえなかった。
そして、帰ってこれば私への暴言や暴力。
私は毎日のように泣いた。
嫌われる理由はわかっていた。
母は父に愛されなかった。
たが私が産まれてから父は私に構うようになり、母は父をすごく愛していたので、私を憎しみ始めた。
それから父は家を出ていった。
理由はあまりにも素朴過ぎた。
でも、母は愛されないのが悲しく、私を戸籍から消した。
つまり、私は存在しない。