『ほら、優愛ちゃん。おいで』

「……っ!?」


ああ、そうか。

思いだした。

この人は……_______。



___ザザザザっ


雨が降るあの嵐の日。

私は大きな木の下で私は少しでも雨風をしのごうと身を縮めていた。

ここで死ぬかもしれない。

そう思った。

幼いながらも死がそこまで来ているとわかった。

助けも来ない。

自分がどこにいるのかもわからない。

もうだめだ。

そう思った瞬間だった________。


___ズキっ


「____ゔぅっ……」


突然の頭痛で私は目が覚める。

私はベットから起き上がって、頭を抱える。


___ズキっ


『……優愛ちゃん、ごめんね。寒かったでしょ?』


頭の中であの嵐の情景がフラッシュバックする。


「うあぁっ……っ!」


『おばさん、なんで?病院は?』


___ズキっ


『陽向が言ってたの。優愛ちゃんと森の中ではぐれちゃったって。それ聞いて、いてもたってもいられなくてね。抜け出してきちゃったっ!』


雨風にさらされて、ずぶ濡れになったおばさんが私の前で笑う。

その笑顔はやっぱり陽向そっくり。


『……おばさぁーんっ!』


幼い私にはおばさんがかっこいいヒーローに思えて抱きついたんだ。

そして、幼い私は私は安心からか、そのまま眠りに落ちたんだ___________。


「……っく、はぁ、はぁ……っ」


私はベッドの上で一先ずゆっくりと深呼吸をした。

息は多少みだれてるはいるが、さっきの頭痛はもう治まったようだ。

時計をちらりと見ると、まだ夜中の2時だった。

一体……あの情景はなんだったのだろう。

夢にしては、なんだかリアルすぎる。