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『___ふふっ、そうなの……』

『それで、優愛なんか怖がって泣いちゃったんだ』

『そう、優愛ちゃんそのあと大丈夫だったの?』

『うん、俺が手引いてその場からダッシュで逃げたんだ』


1室の病室からなにやら楽しそうな声が聞こえる。

私はその病室の扉をゆっくりと開けた。

そこには……


『あ、優愛っ!ちょうどお前の話してたんだ。この前お化け屋敷入った時の話!』


そういって、こちらを見て笑っているのは、紛れもなく……


「ひな……た?」


幼い陽向と……

ああ、あの人だ。

何度も夢で見た。

あの人。


『お前、どうしたんだよ。入ってこいよ』


陽向はこちらを向いて、首をかしげる。


『優愛ちゃん、リンゴ食べる?』


女の人はそういってにこやかに笑う。

今までの夢とは違う。

女の人の顔がはっきりとわかる。

この顔……どこかで_____


『あ、母さん。俺も食べたいっ!』


母……さん。


『陽向はさっきたくさん食べたでしょ?』

『えー……。けちっ!』