___ミーンミーン…


「……」


___ザブーン……


「……」


暑い。

暑い。

暑いったら、あつーいっ!

船を下りた瞬間、真夏独特のむわっとした空気に包まれる私。

汗、止まらないし。


片手にはキャリーバック。

靴は少し高めのヒール。

日焼け防止のための帽子。

顔にはサングラス。

トップスはシンプルに青の半そでカットソー。

下は白のミニスカ。


そして目の前に広がるのは……


「私、完全に浮いてるよね、これ」


海と山。

人はおじいちゃんとかおばあちゃんばーっかり。

あーあ。

これ絶対、服の選択ミスった。

絶対ジャージとかのほうがよかったパターンだよ。

ま、とりあえず、早くばあちゃんの家いこう。

私はポケットからお母さんに渡されたばあちゃんの家までの地図取りだし、広げた。

そして私は片手でゴロゴロとキャリーバックを転がしながら田舎道を歩く。

地面はコンクリートで塗装はされていなくて、ひたすらぼこぼこした道。

歩きにくくて仕方がない。

サンサンと太陽が容赦なく私を照りつける。

暑い。