「ったく……。夜に女ひとり出歩いてんじゃねえよ」


そういって、カズくんは私の後ろからニコッと笑って、手で私の頭を優しくなでた。

それだけで何故か涙が出そうになって、ぐっとこらえた。


「ほら、帰るぞ」


そういって、カズくんは2度私の頭をポンポンとして、手を放した。


「なんで、なんでいるの?」


私がそういうと、カズくんは口角を少しだけ上げて、私の隣に座った。


「……優愛ちゃんから聞いたんだ。お前と喧嘩して、お前が出て行っちゃったって」

「そう、なんだ」


そっか。

優愛がお願いでもしたのだろう。

私を探してくれって。

だからか。

なんだ。

そういうことか。


「カズくん」

「ん?」


ねえ、優愛。

きっとさ、告白なんてしようと思ってするもんじゃないんだよ。


「ずっと、ずっと、好きだった。カズくんのこと。もちろん今もカズくんが好きです」


自然に溢れるこの想い。

受け取れなんてそんな図々しいことは言わないよ。

ただ、聞いてほしいだけ。

カズくんが昔私の隣にいてくれたように。

頼りにはならないかもしれない。

だけど、話くらいは聞けるはずだから。


「___________なんで、渚が先に言うわけ?」