「_____あんなやり方は酷です」
ふと、聞こえた声。
聞いたことがある。
聞き慣れたってほどじゃないけど、一度聞いたら耳に残るこの話し方。
私の知っているなかだったら、一人しかない。
「なんで、ここにいるの?」
私は話し相手の顔を見ないまま、空を見つめたまま、そういうと、会話の主が私の隣に座ったのがわかった。
「学校サボりました」
そういって、向こうは私と同じように寝そべる。
私は相手のほうをみると、やっぱりそうだった。
「佐伯さんは、なんか雲みたいね」
私がそう言うと、佐伯さんは「え?」と少し驚いた声を出す。
「雲、ですか?」
「うん、雲。気づいたらそこにいて、ふわふわしてるの。だけど、ちょっと目をはなしたら消えちゃう。ぴったりじゃない?」
私がそう言うと、佐伯さんは「そうですか」といって、口を一旦閉じた。
「じゃあ、鮎沢さんは川みたいですね?」
「え、川?」
よりによって川かー。
少し、顔がほころんでしまう。
「そうです。いつもは素直にひとが作ったところを流れてるんです。だけど、いざというときはそこにとどまることなく溢れてしまう。
ぴったりじゃないですか?」
そういってくる佐伯さんの顔がすこし笑っているのが私にはわかった。
「川と雲か……。住んでるところが全然違うね」
私がそう言うと、佐伯さんは「そうですか?」と疑問符をつけてくる。
「元は同じ水です。水があって雲と川ができるんです。
私と鮎沢さんは一緒です。だけど、鮎沢さんが言うように、私とあなたは違いますね」
私は、佐伯さんが何をいっているのか分からなくて、「ん?」と次は私が疑問符を投げかけた。
「前もいったじゃないですか。私は私で、鮎沢さんは鮎沢さんだって。
要はそう言うことです」
「あのさ、その意味すら私わからないんだけど」
「そうですか……。それは残念です」



