あーあ。

この夏は1人の私。

どうやって過ごそうか……。





「あ、優愛。夏休み、悪いけどばあちゃんの手伝い行ってくれない?」


家に帰宅したとき、お母さんからそういきなり言われた。

え?

なんで?


「えー、めんどくさい」


昔小さい頃、私はばあちゃんの家で育ったらしい。

小学校低学年まで私はあそこで生活していたらしいが、幼すぎたのか私はばあちゃんの過ごした記憶が曖昧。

覚えていることと言えば、”超”がつくほどド田舎だってこと。

ケータイの電波も悪そうなくらいに。

絶対に暇するに決まってる。


「そんなこと言わないで、お願いよ。おばあちゃん、ぎっくり腰になっちゃったらしくて、家事とかままならないらしいのよ。

ほら、昔よくおばあちゃんにお世話になったでしょ?」


お世話になったでしょ?……って。

私よく覚えてないんだけど。

お母さんがそう言うならきっと長い間私はお世話になったのだろう。

正直言うと確かにここにいても暇だ。

向こうにいっても暇かもしれない。

だけど、もしかしたら、向こうにいったらなにか思い出すかもしれない。

懐かしむものがあるかもしれない。

……行ってみようかな……。


「わかった」


私がOKの返事をすると満足そうに笑うお母さん。


「じゃあ、明日から、よろしくね」

「え、明日!?」


嘘でしょ!?

いきなりすぎるでしょっ!


「そうよ、明日。はい、これお小遣いと、今日買ってきたお菓子ね。明日、8時にここ出発するから寝坊するんじゃないわよ」


そういうだけ言って、うちのお母さんは私から立ち去る。


えーー。

マジですか。