『優愛ちゃんは、いつも楽しそうね?』

『うん!楽しいよ!』

『ふふ、いいことよ、それは』

『へへん!私ね、この村好きだもん!食べ物美味しいし、近所の人優しいし!』

『そう。ふふ、周りが優愛ちゃんに親切なのは優愛ちゃんが周りに優しいからよ』

『そうなの?』

『そうよ。自分が相手にしたことはすぐには返ってこなくても、いつか時を経て必ず自分に返ってくるものなの』

『……??』

『ちょっと、まだ難しかったかな?』


病院の一室だと思う。

幼い私は誰かと会話をしている。

だれだろう。

声からして女の人だと思う。

そして、この人が多分あの嵐の夜私を助けてくれた人。

顔は逆光でよく見えない。

なんだろう。

この安心感。

私きっとこの人のことが大好きなんだ。





『優愛ちゃん』





そう。

この人が呼ぶ声はいつも優しくて。



『優愛ちゃんは名前の通り、優しくて愛のある女の子ね?』



そういって、頭を撫でてくれる優しい手が大好きだった_____________。














「_______ぁ…。優愛っ!」


「……っ!」


突然のお母さんの大きな声に私はビックリして目を開いた。

目に一番に飛び飛んできたのはばかでかいお母さんのかお。


「優愛っ!大丈夫?」


そう、私の顔の前で大声で言うもんだから私は思わずお母さんから顔を背けた。


「……ちょ、お母さん近いから」


私がそういうと、お母さんは、ああ、ごめんね。といって、私から顔を遠ざけた。

お母さんが離れたところで白い天井が目に入ってくる。