そこからの記憶は曖昧で気づいたら、私は一人居間で座ってた。

カレンダーを見たら今日は9月5日だ。

可笑しいな。

普通なら私今学校いっているのに。

こんなド田舎なんかにいないのに。

何やら廊下はバタバタと騒がしい。

大人たちの話し声なんかも聞こえてくる。

何を話しているかなんてよくわからない。

正直興味もない。




_____悲しいの?


わかんない。


_____寂しいの?


一人には慣れているから平気。


_____ばあちゃんはどこ?


さぁ。何処だろうね。


_____陽向は?


さぁ。よくわかんない。


_____泣かないの?


なんで?なく理由がない。


_____ばあちゃんいなくなったのに?


……だって、ばあちゃん、私にいってた。


『ばあちゃん、ちゃんと見守ってるからね』


ちゃんと私のこと見守ってくれてるっていった。

ちゃんと私聞いたんだからっ!


だから______



「……っうう!」



悲しくないはずなのに。


「ばあちゃんっ……!」


寂しくないはずなのに。


「うわぁぁぁっ……っ!」


なんでこんなにも涙がでるんだろう。


本当は嫌なんだ。

仮面を被った自分なんて。

本当は嫌いなんだ。

風見鶏の自分なんて。


全部全部ばあちゃんはそんな私を見抜いてた。

ばあちゃんはなにもつけていない私をいつも笑顔で迎えてくれた。


『優愛ちゃん』