「あ、カズくんっ!さっきの何?」


私と渚が丁度お茶してたとき、玄関の扉が開く音がして、渚が居間を飛び出して、玄関の方へと向かったと思ったらそんな怒りの声が聞こえてきた。

私もなんだと思って、居間の扉から少し顔を出して玄関の方を見てみると


「……あ、相川先輩」


なんでここにいるの?

先輩は渚におこられているにもかかわらず、こちらに向かってヒラヒラとてを降った。

そして、手に持っていた荷物を少しだけくいっとあげて


「優愛ちゃんのお母さんからちょっと預かりもの!
上がるね~」

「まぁ、あとで電話のことは詳しく聞くとして、早く取りかかろうか」


そういって、二人は玄関を上がって居間の方へ入ってきた。

私には二人がいま何をしようとしているのかは、全くわからなくてただ二人の様子を見ていた。


「……っと、これで全部かな」


そういって、先輩がちゃぶ台の上に積み上げたのは


「……私のアルバム……?」


なんで?

これをどうしようっての?


「優愛ちゃん、これ見たことある?」

「……まぁ、何度かは……」

「ここに、陽向くんはいた?」


あ……。

そう言えば。


「いなかった……」


ずっと不思議だったんだ。

ここの島での私の写真はあるのに、いつ私一人かばあちゃんと一緒で。

誰かと一緒に遊んだっていう記憶はあるのに、陽向という人物がいたということは覚えているのに、ここにはのっていない。

一度だけ、お母さんに聞いたことはあったけど、これで全部だとの一点張りだった。


「優愛ちゃんのお母さんがこの島での陽向くんや他の人たちとの写真を隠してたんだよ」


そういって、先輩はファイルを大切そうにそっと、バックから取り出して私の前に出した。

私はそれをそっと受け取ってファイルの中身を取り出した。