偽装恋愛カレカノ



家を出ると
隆はホントに
待ってた


「行くぞ」


そう言って
私の手を掴む


「離し…て」


「掴んでねぇと
逃げそうだし」


「逃げな…」


「逃げる」


「幸が…怒る」


その時、私は
気づいたんだ。


一瞬空気が
凍ったように
冷たくて


一瞬時が
止まったことに