それでも神田くんが好き

神田くんの放った言葉




“付き合ってる”




その言葉が思った以上に重かった。





ウソだ。
ウソ…。






両思いと付き合ってるとは
大体同じ意味で
どうして両思いなのになっちと神田くんは付き合わないの?
とか思ってた。




けど、両思いと付き合ってるの重さはすごく違う。






痛い。
心がすごく痛い。






「桜庭さん…大丈夫…?」





「え?」





「涙」






「あ…」






気づいたら私の両目からは
次から次へと大きな涙の粒が流れ出てた





つらいよ。
叶うはずなんてない。
このまま好きでいても時間の無駄?
辛いだけ?







なのに、どうして好きになるのを止められないのかな






「桜庭さん、本当に大丈夫?」



そうやって優しくするから
少し期待しちゃうんだ
本当にバカ。





「大丈夫。ほっといて」

「ほっとけるわけないでしょ?」


「ちょ…」








手首を引っ張られた





視界には、黒の学ランが目に映って
神田くんの腕の中だってことに理解するには時間はそんなにかからなかった






「神田くん…」



「いいよ。泣いて。」




そう言って
背中をさすってくれる。




それだから困るんだ



「彼女いるのに…」




「それとこれとは別でしょ?」





本当に神田くんは優しい。
こんな人、一生かかっても好きになってもらえないだろうな。



それでも好きなんです。






「…好き」



神田くんに聞こえない
小さな小さな声で
言えない気持ちを呟いた