相談学級登校初日。
それは9月のことだった。
新しい生活に期待を抱き、
職員室に入ると
「おはよう!よく来たね!」
と優しく受け入れてくれた先生たち。
すると、ちょうど登校した子も職員室に来た。
「お、おはようございます。」
少し戸惑い気味に声をかけてくれたのは
これから先、たくさんお世話をかける事になる、
志村伽菜子だった。
私は挨拶を返すと
三年生の担任の新田先生は
「ちょうど良いから、志村さんと教室に行ってみる?」
と言った。
私はハイ、と言うと
これからの出会いに、緊張しながら
相談学級で初めて声をかけてくれた志村さんと教室に行くことになった。
特に何も話はしなかった。
でも、何故かとても安心できた。
教室まで職員室から30㍍。
とても短い距離だけど、
私にとって長い距離。