でも。


さすがに女子が苦手な井波くんに、こんなことやらせちゃ、ダメだよね。



「あの…井波くん……ごめん…」



自分が思っていたよりも情けない声だ。


「なにが?」


「もう…一人でできるから……井波くん帰って大丈夫だよ…?」



そう言うと、井波くんが今にも「は?」と言いそうな顔をした。


え…


なにかおかしなことを言いましたでしょうか………?


「どこがだよ。俺のことはいいから薬飲め」


え…。


そんな真っ直ぐに見られたら何も言い返せない。



「うん…」



でもね、でもね。



私、玉の薬苦手なんです。