「大丈夫か?薬飲む前に、少しゼリーとか食べるか?」


「うん…ありがとう…」


「起きれる?」


「ん…」



だめ…起きられない。


そう思っていると、井波くんの長い腕が私の体を引き寄せて起こしてくれた。



か、顔が近い…?!





こんなこと思っちゃいけないんだと思うけど、このままでもいいかも…。



井波くんが自分の部屋にいるってだけで変な感じなのに、こんなに優しくされたらもっと変な感じ。



井波くんへの好きが積もる。



「口開けろ」


「………へ?」



クチアケロ?



「早く」


「え…うん……」


とりあえず言われたとおり口を開く。



すると、井波くんは買ってきたゼリーを少しスプーンですくい、私の口元まで運んでくれた。



…井波くんが、


私にあーんしてくれた………。



あぁ、私、熱で幻見てるのかも。