「早くしろ」


「え…でも…」


「いいから」


「私、歩けるよ…!」



今井波くんは私の前で手を後ろに出してしゃがんでいる。



「は?歩けてないでしょ。フラフラじゃん」



まぁ……確かに…。



「…なら、お言葉に甘えて…」



私は恐る恐る井波くんの背中に乗った。



井波くんにおんぶしてもらってる…。



もっと熱上がりそうだ。



井波くん、やっぱりいい香りする…。



そんな香りに癒されていたが、


家に着くまで少し動いたせいか、本当に熱が上がってきたように感じた。