「あら、佐野さん起きた?」



ベッドのカーテンが開き、保健の先生が顔を出した。



「顔赤いわね~…」



それは井波くんのせいです。



「どうする?自分で帰れる?」



「はい、多分帰れます…」



そう言ってベッドから降りるとき、

めまいがしてそのまま井波くんに捕まってしまった。



「あ、ごめ…」


井波くんはよろけた私の腕をしっかりと掴んで、こう言った。



「俺、家近いんで送ります」


へ?井波くんが…?


ちょっと…嬉しい。


「じゃあ、佐野さんいい?」


「はい…!」


熱さえ無ければ最高なのに…。