私が最も恐れていた席だった。


「あはは…」


「勉強に集中できてよかったな」


どうでもよさそうにそう言い放った井波くん。


「はぁ?ならお前席変われよ」



「…」



「無視かよ!!あ、柚姫ちゃんは、亜希の近くになれて良かったね!」


「うん!!…って、え?!」


なになに、蒼空くんどうして知ってるの?!


「柚姫ちゃん、バレバレだからね?」


バレバレだったのか…。


そのまま蒼空くんは私の耳に近づき小声で、


「協力するからね」と言った。


顔を離し、ニコニコする蒼空くん。



そんな会話をしていると1限目のチャイムが鳴った。