井波くんは私の家の表札を見て目を見開く。 そんなに驚く事だったの? 「……まじかよ…」 「え、なに?」 「俺んちの隣に引っ越してきたのって…佐野なの?」 わぁ。 初めて名前呼ばれたぁ! 覚えててくれたんだ…。 …って、今はそのことは置いとこう。 井波くん。 今、なんとおっしゃいましたか? 「隣…?井波くんのおうちが…?」 「…はぁ」 ため息を1つ落とすと、井波くんは自分の家の中へと入っていった。 つまり、私の家の隣のお家に。