階段1つ、上ろうか。




「……んで、何の用?」


「えーと、卒業おめでとうございます?

これ、お祝いです」



ラッピングしたお菓子を先輩に渡す。



「味に保証はありませんよ、私の手作りだから」


一応保険をかけて先輩に言う。



「おー、もらっとく。
まずかったら遠慮なく文句言うからね」

「嘘でも美味しかったよって言ってくださいね」

「無理、俺正直だから!」

「ソーデスカ」



…違う、こんなことを言いたかったんじゃない…。

落ち着け。自分。



「あの、先輩」

「ん?何?」