首都には1時間半くらいでついた。
まだ昼前だと言うのに、流石首都。人で賑わっている。

私達は馬車を降りた後、城下町まで歩いた。ここに、お目当ての薬草の専門店がある。

城下町は更に人で溢れかえっていて、田舎者の私は少しだけ興奮する。
久々の城下町に私ははしゃぎまくって、先生の前を歩いていた。


「やっぱり首都となると、色んな国の人がいますね」


人混みの中を見渡してみる。
"東雲ノ国"は、異国との交流が多い。ここの住民と思われる人も、顔立ちも服装も全く異なる異国人もいる。

だけど皆の顔は一括して明るくて、活気にあふれていた。見ている私まで明るい気持ちになっちゃうな。


私はすっかり高揚した気分で街を歩いて行った。

それにしても、人が多いな。
はぐれたら、人一人を探すのは容易ではないだろう。


「先生、迷子にならないで下さいね?」


私は、くるりと後ろを向いた。



そこには、誰もいなかったけど。