「呪族……?」

聞きなれない言葉だ。
私がその……呪族の末裔?

詳しいことを聞き出そうとした時、ゴリラが私の言葉を遮った。


「おっと、これ以上お前の戯言に付き合う気はないぜ!」
「待って、もっと詳しく!呪族とはなんです?」


敵意を示さないため、短刀を鞘に仕舞う。
でも、奴等にそんな事は通じなかった。


「そうだな、答えてやるよ。お前を捕らえた後でな。

お前ら、かかれ。殺すつもりで行かないとこっちがやられるぞ」
「ちょ、待っ……!」


ゴリラの号令を元に、何人かの男が飛び出してきた。
ああもう、このバカ男が……!


「大人しく捕まりな!」


本当に殺すつもりでいるのか、一人の男が刀を振りかざしてきた。
筋肉を見せつけているのだろう。異国の……タンクトップ、だったか。そういう名前の服を着ている。

私はその男の刀を避けると、腹部に蹴りを入れた。そのまま遠くまで飛んでいく男。
男はえずきながら、腹部を抑えて悶えた。

うーん、やっぱり刀があった方が戦いやすいな……。
でも無闇に刀を使わないように、先生から言われてるし……。

なんて考えてる間に、すぐに次の手は迫り来る。


「うらぁっ!」
「死ねぇっ!」


今度は二人同時だ。

その攻撃を避けると、休むまもなく投擲武器(投げる武器)が飛んでくる。
私は目の前まで迫った刃を紙一重で交わした


……と思った刹那、背後で空気を裂く微かな気配。
振り向けば、いつの間にか背後にいた男が馬鹿でかい剣を振り上げていた。


「っ……!」


避けきれない。

肩を掠める刀。
小さいが確かに鋭い痛みが肩を走る。

どうやら、頭を使ってきたみたいだ。さっきのタンクトップゴリラは何だったのか。


……とりあえず私は、この4人の相手をしなければならないようだ。