物心ついた時から、周りには誰も味方がいなかった。
ただただ、自分の存在を否定された。
皆、私を汚物を見るかの様な目で見てきた。
私はいつまで孤独に生きなければいけないのか。
私はいつまで胸が裂けるような悲しみを味わなければいけないのか。
顔を上げる。
悲しくて息苦しい空気が淀む空間で、沢山の大人が私を見下ろしている。
綺麗なドレスを着た女の人が口を開くと、私は咄嗟に耳を塞いだ。
嫌だ、聞きたくない。
それでも、悲しい言葉は容赦なく私の耳に届いてしまう。
「なんて汚らわしい子供なの!」
それはこれまでで何度言われたことだろう。
ショックを受ける間もなく、幾多の大人は次々に言葉を発する。
「こっちを見るな」
「なんて醜い子供なんだ」
「お前が生きている意味などあるのか」
それらの言葉は、全て刃物のようになって私の心を突き刺す。
私が悪いのは分かった。
だからもう何も言わないで。
いい子でいるから、せめて嫌わないで。
「ごめんなさい……」
やっとの思いで喋る。
大人達は皆クスクスと笑ったり「喋るな!」と怒鳴り散らしたりした。
そんな時。
1人の男の人が私の前に立ち、座っている私と目線を合わせてきた。
……許して、くれるの?
「うぐっ」
そう思ったのも束の間、私は息苦しさに見舞われた。
男の人が、私の首をしめてくる。
私は訳も分からず必死に謝り続けた。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
意識が朦朧としてきた時、男の人の口角がグニャリと上がり、こう言った。
「お前なんて、死んでしまえ」