彼があたしを抱くとき


人波が動きはじめる。

あたしと秀太は波にさらわれるように電車に乗りこむ。

あたしは、秀太の手をしっかりと握っていた。

帰ると言う秀太を、あたしは絶対に帰しはしないと言って、
握りしめた手を、はなそうとしない。

そのうち出入口から奥深いところにおしこめられてしまった。