彼があたしを抱くとき


「何か、こう、凄いんだよな」

「うん」

靴音、ざわめきがたえずあたしたちの後を流れている。

それらの人々は、魂のある人間ではなく風景に思える。

カレーの市民とあたしと秀太だけが生きている。