カレーの市民の上に、大きな半月が出ている。 鉄柵に顔をおしつけるように、カレーの市民を、秀太がながめている。 昼間、美術館へ入って、しげしげと見るのとはちがって、 その一群は一日の粧い顔から、 やっと本来のなげき苦しみをうったえることのできる時間を得たようだ。 あたしもひんやりとする鉄柵に、自分のほおをくっつけて、ながめる。 あたしたちは、それ以上近づけない。