彼があたしを抱くとき


ちょうど、その隣があいたので、
靴をあずけて、座敷に上がり、秀太が、食券を買ってくるのを待った。

耳の上と後頭部を青々と刈り上げた男の子が、隣や後ろの卓をのぞいて回っているのを、老婆がたしなめているが、まるで聞いていない様子だ。