「俺ね、もっと本気で絵をかこうとは考えるんだけど勇気なくて」 ポップコーンをわし掴みにして、口にほうりこむ。 二人とも大きな口だ。 用事で東京にくる度になんとなく秀太に会ってしまう。 場所は新宿だったり、上野公園だったりしている。 近頃、あたしはヒラキナオリを覚えた。 詰まるところ、わかっているのは秀太が好きだということだけだった。