彼があたしを抱くとき


夕暮れなどに、
ふと背中に頬でもすりよせ「おかあさん」などと言おうものなら、

たちまち、
「気持ち悪い、いやらしい子ね」
と身をかわされ、拒絶された。

違和感が生じ、
母が鉄でできた働く機械のように思えた。