彼があたしを抱くとき


たのむから、わかって欲しい。

偽りでもいい。

地下プロムナードを足早に歩いて行く後ろ姿をおうにも、自分の気持ちのあせりで足がもつれる。

何を考えているのか、内にこもって語ろうとしない岸谷がもどかしい。

「俺、苦しいんだ」としか言わない。