「わかってるんだ」

秀太のひとりごとが青くなって、
海に溶けだすように、
風にのって沖へはこばれる。

あたしの手、足、額、それから内臓、みんな青く染まっていきそうだ。

あたしはボンヤリと秀太の髪を撫でた。

手に柑橘系の香りがするリキッドがつく。

それは秀太のにおいだった。