「え?」 「ここから海岸まであるいても、十分くらいじゃん。 俺、海が見たい。 生まれてからずっと海を見て暮らしてたから。 海がなんとなく、俺のいちばん休まる場所でさ。 東京にいると、やけに恋しくなるし」 「あたし、城山に登ろうと思ってたのに」