「はぁ?渚、何言ってんの? 
 伊藤なんて平均ど真ん中。
 勉強、スポーツ、顔、性格。
 どれもとび抜けて良い所もなければ、
 悪いところもない。そんなのの何処か
 平均男子じゃないっていうのさ??」
「まあまあ、そこまで言わなくてもいいんじゃない?
 私を助けてくれたのは事実なんだしさ。」
「まあ、そこはかっこいいと思うけどね〜。」 
 トントン。
「なに〜?」
え?一人で話してるんじゃないよ?
誰かが私の肩を―…
後ろを振り向くと
「いっ、伊藤君!?」 
「伊藤じゃん。」
舞花ちゃんが不思議そうに伊藤君を横目で見ている。
「さっきから
 べらべらべらべら
 人の事平均だとかどこがいいだか
 でけー声で喋りやがって
 こっちには丸聞こえだから…」
「えっっ、嘘!
 ごめん!悪気はなかった…
 いや、それが一番たちが悪い…??
 まあ、ごめん!」