「あっ、私は、大西 沙紀っていいます。」 「沙紀ちゃんか‥‥。いい名前だね。」 そう言って、微笑む。 「俺は、松井 紫苑〈マツイシオン〉。」 「紫苑くん?」 「紫苑で、いいよ?」 「じゃあ、私も、沙紀で!」 「そう?じゃあ、沙紀!」 「うん!」 「お~い、沙紀ー! あっれ~?どこいっちゃったんだろう?」 と、少し遠くで、 理恵の声が聞こえてきた。